今回は、『廉太郎ノオト』谷津矢車 著 を紹介します。
西洋音楽がまだ珍しかった明治時代。
廉太郎は、反対する父を説得して東京音楽学校予科に進んだ。
天賦の才能と並々ならぬ努力で厳しい選抜を潜り抜け、16歳で現役最年少の東京
音楽学校本科生となった。
そこで個性的なライバルたちと切磋琢磨し、やりたいことを見つけ、ついに国費でのドイツ留学と、順風満帆の廉太郎だったが結核が彼の体をむしばんでいく……。
音楽の授業で必ず習う「滝廉太郎」の生涯を描いた本作は、今年3月に行われた兵庫県立高校入試に出題されました。
昨年に引き続き、明治の実在の人物を描いた時代小説。
でも、古い言葉で書いてあるわけでは無いのでご安心を。
今年の高等学校の部の課題図書でもありますが、中学生でも十分読むことができます。
いや、むしろ読んでほしい。
廉太郎が東京音楽学校の予科に進んだのは14歳。
皆さんと同じ年頃に自分の進路に悩む姿など共感できる部分も多いのではと思います。
さらに、このコロナ禍にあって、同じく伝染病である結核に前途を阻まれた廉太郎の生涯を読むことで、いろいろ考えさせられることと思います。
ぜひぜひ読んでみてください。