「本の紹介と思わせて、読書感想文について」


 今回は、寺地 はるなさんの『水を縫う』を紹介したいと思います。

この作品は、2021年度県立高校入試に出題されました。


 ところで、この表紙を見て「見たことある。」と思った人、書店などで課題図書をじっくり吟味した人ですね?

そう、第67回青少年読書感想文全国コンクールの高校の部の課題図書です。

昨年の『廉太郎ノオト』に続き、入試に出題からの課題図書という流れです。

ということは、高校の部の作品を読んでおくと、入試の文章に慣れることができるのです。

中学生が高校の部の作品を読んでもいいし、それで読書感想文を書いてもいいのです。


 そもそも、読書感想文は自由に何を書いてもいいのです。

とはいうものの自由ほど不自由なことはありません。

学校で配布された書き方やテンプレートを利用してみましょう。

それでも何も浮かばないという人は、好きな場面(読みながら付箋を貼っておく)の共通点を考えてみてください。

例えば、好きな場面が主人公が困難から逃げずに頑張っているという共通点があれば、自分は困難から逃げない人に心惹かれるのだという発見ができます。

さらに、なぜ心惹かれたのか考えると、自分と同じだからとか、逆に自分とは違うからとか、自分を深堀していくことになります。

実は、読書感想文とは本の内容ではなく、自分について書く文章なのです。

ですから、あらすじでかさ増しするのではなく、どんどん自分を語ってください。

国語担当講師 荒柴